仲介手数料無料業者が何故増加傾向なのか?

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弊社は宅建業免許を取得して11年目である宅建業者であり、兼業する司法書士事務所も開業して14年目となります。ただ仲介手数料最大無料サービスである東京法務不動産ナビの開始は去年の10月からです。仲介手数料無料サービス対応業者は基本SUUMOやHOMES等のポータルサイトに物件を掲載せず、自社運営サイトから購入者様の集客図るケースが殆どです。それには大きな理由があります。

①SUUMO等のポータルサイトの広告費は高額であること

物件の売却活動に関しては原則媒介契約を売主から頂いてポータルサイトに物件を掲載して購入者様の反響を獲得を目指しますがSUUMO等のポータルサイトの掲載費用は掲載物件数が多いほど高額となります。仲介手数料無料サービス対応業者は広告コストを抑えるために自社ホームページで広告するほうがポータルサイトより掲載費用が安価ですむために自社運営サイト、弊社でいうと東京法務不動産ナビがこれに当たります。

②SUUMO等のポータルサイトに新築戸建て、中古リノベーションマンション情報を掲載できないことが多いこと

上記のような物件はほぼ全てといっていいほど売主は宅建業者です。一般個人の方が転売益を目指して

所有土地に戸建てを建築、、もしくは所有マンションを新規リノベして転売益をはかるという行為自体リスク(販売が長期化した場合やそもそも宅建業の免許がないと当該行為につき反復継続性があると見做されれば違法となる可能性があります。)があるのが大きな理由です。ただ当該物件の広告に関しては最近は土地やリノベ前の物件を仲介した業者だけがポータルサイト掲載を許可される傾向が増えてきたような気がします。つまり売主宅建業者は今後も仕入れ物件の獲得やそもそも仕入れの条件としてポータルサイト掲載が仕入れの条件であったりすることが多いからです。

③自社運営サイトであれば広告OKのケースが多いこと

新築戸建てや中古リノベーションマンションを販売する宅建業者様は自社運営サイトであれば、ほぼ掲載OKであるケースが多いからです。

よって弊社のように仲介手数料無料サービスに対応可能な業者はポータルサイトでなく自社運営サイトで広告戦略をかけることになります。

④仲介手数料無料サービス対応業者といえど仲介手数料を満額頂くケースがあること

本来不動産会社は営利企業である以上法令で許可された仲介手数料最大まで頂くのが原則であり、仲介手数料を無料にしなくても購入者様の反響がとれる物件であればそもそも手数料を無料にする必要はないといえます。ただそのような物件は一般個人もお客様から専任媒介契約(細部は違いますが、簡単に言えば専任媒介とは一社しか窓口になれず、広告も一社だけが担当するケースです)を頂いだ物件をSUUMOやYAHOO等のポータルサイトに掲載すれば自社運営サイトとは比較にならないくらい反響を取得することが可能です。よって仲介手数料を無料対応にしなくても物件を成約まで進めていくことは容易であるからです。

弊社でも所有者様から直接媒介契約を頂いている物件に関しては全てポータルサイトに掲載して集客しており、原則仲介手数料は満額頂いております。たぶん他の無料サービス対応業者も当該対応であることが多いでしょう。

⑤なぜ仲介手数料無料対応サービスに対応する業者が増加傾向なのか?

理由としては上記で述べたように、費用のかかるポータルサイトに掲載せず、コストの安い自社運営サイトで集客を図るしか、広告費を潤沢にかけられる大手不動産会社に対抗できる方法がないからです。そして一般個人の方から売却の媒介契約を頂くことにつき、CM等の広告、社員数、支店数、ブランドイメージで圧倒的優位性を持つ大手不動産会社に弊社のような一般不動産会社が対抗するのは極めて困難であるため、一社だけに媒介契約を任せない宅建業者所有の物件を自社運営サイトに掲載して、集客を図ることが、社員数5名未満の小規模不動産業者の至上命題となっている気がします。ただ最近は仲介手数料無料サービス対応業者が増えたため、仲介手数料無料というキーワードでは自然検索でグーグルやYAHOO等の検索エンジンの1ページ目に上位表記が困難となり、最近は有料広告枠(グーグルでいえばグーグルアドワーズ、YAHOOで言えばリスティング広告)へコストを投下するトレンドになっています。これは仲介手数料無料という検索ワードにクリック単価を入札することにより上位表記が可能となる方法ですが、業者間の競争が激しく入札単価は年々増加傾向であり、広告費の増加でまさに薄利多売戦略で生き残りをかけていくしか、このコロナ禍の中でのトレンドとなっている気がします。ただ新築戸建て、中古リノベーションマンションの成約数は2021年は好調であるため薄利多売の戦略をとる小規模不動産会社が増加傾向にあるのかもしれません。その中で弊社独自の特徴を生かして、このコロナ禍の中でも、薄利多売で事業を存続させていく所存です。

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